留年

医学部は何年まで留年できる?回数上限・放校・除籍の基準を解説

こんにちは、MEDICAL HACKERのまさ。です。

私は現役の医学部生で、自分自身も留年を経験しています。留年が決まったときは、「もう1回留年したらどうなるんだろう」「医学部って何年までいられるんだろう」とかなり気になりました。医学部をやめたほうがいいのではないか、と考えた時期もあります。

実際、私の知人には留年を重ねたあと医学部を離れ、別の道へ進むことを決めた人もいます。医学部は他の学部と違って、入学するの難易度も高いし、卒業までの年数も長いので、一度留年を経験したことがある人は、在学できる年数や同じ学年にとどまれる回数まで意識しておく必要があります。

ただし、ここで一番大切なのは、医学部の留年回数や放校・除籍の条件に全国共通のルールはないという点です。ネットで「2留したら終わり」「医学部は最大12年いられる」といった話を見ても、そのままあなたの大学に当てはめることはできません。

この記事では、留年経験のある医学部生の立場から、医学部では何年まで留年できるのか、2回・3回と留年するとどうなるのか、在学年限を超えた場合に何が起こるのかまで詳しく話します。

この記事のポイント

  • 医学部で留年できる年数と回数の考え方
  • 2回や3回の留年で放校になるのか
  • 在学年限と除籍の関係
  • 次の留年が危ないときに確認すること

医学部の留年は何年まで可能か

「医学部は何年まで留年できるのか」と検索している人が最も知りたいのは、あと何回失敗できるのかだと思います。ただ、この質問には大学名なしで一つの数字を答えることができません。

全国共通の上限はない

医学部なら留年は何回までという全国一律の決まりはありません。留年できる限度は、それぞれの大学が定める学則や医学部の進級規程、在学年限などによって決まります。

つまり、医学部留年の上限を調べるときに「全国では普通何回なのか」を探し続けても、自分の答えにはたどり着けないことがあります。必要なのは、あなたが現在在籍している大学の規程です。

例えば、医学科は通常6年間の課程ですが、「6年制だから留年できるのは6年まで」と単純には決まりません。在学できる期間を別に定めている大学もありますし、同じ学年に在籍できる年数へ別の制限を設けている可能性もあります。

結論から言ってしまえば、何回まで留年できるかは、あなたの大学次第であるということです。

修業年限と在学年限は違う

医学部医学科の修業年限は原則6年です。しかし、修業年限6年と在学できる最大年数は同じ意味ではありません。

修業年限は、通常のカリキュラムで卒業するために必要となる標準的な期間。一方、在学年限は、その大学に学生として在籍できる最大期間です。

具体例として、大阪大学の学部学則では医学部医学科の修業年限を6年とし、在学年限を12年と定めています。在学年限に達すると学生としての身分を失う規定です。(出典:大阪大学「大阪大学学部学則」)

この大学を例にすれば、単純計算で最大6留までできることになりますが、これは「医学部はどこでも12年間いられる」という意味ではありません。ここを取り違えないでください。

ポイント

「何留まで大丈夫?」と疑問に思ったら、まず学則を開きます。入学年度によっては、規則が違うこともあります。医学部では数年に一度ルールが変わることもあるので、昔の常識をそのまま信じるのは結構危ないです。

休学期間の扱いにも注意する

在学年限を計算するときは、休学期間をどう扱うかにも注意が必要です。大学によっては、正式に許可された休学期間を在学年数へ算入しない規定があります。

そのため、「入学してから何年経過したか」だけを数えて、自分にはあと何年残っていると判断するのはおすすめできません。また、休学そのものにも期間の上限が設定されている場合があります。

病気やけが、心身の不調などがある場合、無理に授業へ出続けるより休学を検討したほうがいいケースもあるでしょう。ただし、留年と休学では学籍上の扱いが異なります。学生課や教務へ確認したうえで決めることが大切です。

医学部は何回まで留年できるか

年数と同じくらい多いのが、「医学部は何回まで留年できるのか」という疑問です。2回、3回、5回と留年したケースをネットで見かけても、それだけで自分も同じ回数まで大丈夫とは判断できません。

留年回数だけでは決まらない

医学部の留年回数は、単純に「合計○回まで」という形だけで決まるとは限りません。

例えば、大学全体の在学年限まで在籍できる場合もあれば、医学部独自の進級条件が設けられている場合もあります。同じ学年で一定回数以上進級できなかった場合の扱いが別に定められていることも考えられます。

そのため、1年生で1回、3年生で1回留年した人と、同じ学年で2年続けて進級できなかった人が、必ず同じ扱いになるとは限りません。同じ学年を連続で留年したら放校になる大学もあれば、入学からトータルの留年回数で放校になるかならないかが判断される大学もあります。

これも大学ごとにルールが違うので、確認するしかありません。

2回留年しても全国一律ではない

「医学部で留年2回になったら放校されるのか」と不安になる人は多いと思います。しかし、2回留年しただけで全国すべての医学部から放校になるという制度はありません。

大学の規程上まだ在籍可能で、進級条件を満たせる状態なら、2留していても卒業を目指せる可能性があります。

一方で、「全国ルールでは2回まで大丈夫だから安心」という考え方もできません。自大学に独自の制限があれば、そちらが重要だからです。

私自身、一度留年すると「次も落ちたらどうしよう」という怖さはかなりありました。でも、漠然と怖がるより、自分に残されている在籍期間と進級条件を具体的に知ったほうが次の行動を決めやすくなります。

3年以上の留年も大学次第

医学部留年3年、あるいはそれ以上になった場合も考え方は同じです。在学年限の範囲内であれば制度上在籍できる大学はあります。

ただし、3回以上の留年になると、単純に「卒業できる年数が延びた」で済ませづらくなってきます。追加の学費や生活費、奨学金、家族への負担、卒業後の進路なども現実的な問題になります。

さらに、一度落とした原因を変えないまま同じ勉強方法を続けているなら、残りの在学年限が何年あっても安心はできません。

留年した後の生活や勉強の立て直しについては、医学部で留年した後の1年間の過ごし方でも、私自身の経験をかなり詳しく書いています。

放校と除籍はどう違うのか

医学部の留年について調べると「放校」という言葉をよく見かけます。ただ、大学の正式な規則では別の表現が使われることがあります。

放校は俗称として使われる

医学生の間でいう「放校」は、大学側の規則によって在籍を続けられなくなり、医学部を離れる状態を広く指して使われることがあります。

しかし、実際の学則では「除籍」「退学」「学生としての身分を失う」など、大学によって異なる言葉が使われます。

そのため、「放校になる条件」という項目だけを学則から探しても見つからない場合があります。「在学年限」「除籍」「退学」「進級」「原級」といった項目まで確認してください。ただ、1番簡単で、かつ正確な情報収集の仕方としては、所属大学の教務担当に聞くことだと思います。

在学年限超過で学籍を失う場合

在学年限が設定されている大学では、その期間を超えて在籍し続けることはできません。

先ほどの大阪大学の例では、医学部医学科の在学年限は12年とされ、その年限に達した学生は身分を失うと規定されています。こうしたルールが、医学部で「留年し続ければいつまでも在籍できるわけではない」理由の一つです。

ただし、どの大学でも12年目に除籍されるわけではありません。医学部留年の放校基準は、必ず自大学の最新規程で判断しましょう。

医学部を離れた後の影響

医学部を卒業せずに大学を離れれば、当然ながら医学部の卒業資格は得られません。日本の医学部を卒業する通常ルートで医師国家試験を受験する道にも進めなくなります。

また、就職活動では大学を卒業した人と同じ「大卒」として扱われるわけではありません。履歴書にも在籍していた大学と退学等の経歴を書くことになるでしょう。

だから、医学部から離れる判断はかなり大きな決断です。ただし、医学部を続けることだけが何よりも優先されるとも思っていません。本人が医師になりたいのか、心身の状態はどうなのか、残りの学費を払えるのか。そこまで含めて考える必要があります。

私も留年したときには「医学部に向いていないのでは」と思い、やめることまで考えました。一方、知人には何度か留年したあと別の進路を選んだ人もいます。

医師になりたい気持ちが残っているなら卒業へ向けて立て直すべきですが、それでも別の人生を選びたいなら、在学年限ぎりぎりまで何となく残るより早めに考えることも重要です。どちらも簡単ではないですが、自分で期限を知ったうえで決めることが大事だと思います。

いつまでも若いわけではないので、本気で医学部を辞めたい、他にやりたいことがあると考えている人は、若いうちに早めに別の道に進むことを検討するのも良い方法だと思います。

留年の基準も大学で異なる

そもそも何をすると留年になるのかも、全国一律ではありません。「1科目落としたら留年」という大学もあれば、条件付きで進級できる仕組みを持つ大学もあります。

1科目でも進級不可はある

医学部では必修科目が多く、当該学年に配置された科目をすべて修得することが進級条件になっている大学があります。その場合、たった1科目の不合格でも進級できない可能性があります。

一方で、一部の未修得科目を残して次の学年へ進める制度を設けている医学部もあります。

さらに、留年後の再履修方法も違います。大阪大学医学部医学科では、進級要件を満たせず留年した学生が再履修する科目は原則として不合格科目のみとされています。

特に、私立大学では、留年すると全科目再履修ということが多いと聞きますが、ほとんどの大学では、「留年すると去年の授業を全部受け直す」とも限らないわけです。

試験以外でも留年する

医学部の留年基準は定期試験だけではありません。出席不足で試験を受けられない、実習を修了できない、必要単位が不足する、CBTやOSCEの条件を満たせない、卒業試験に合格できないなど、複数の関門があります。

特に医学部は学年によって危ないポイントが変わります。各学年で注意すべき内容は、医学部で留年しやすい学年と6年間の鬼門で詳しく紹介しています。

自分が今いる学年で何を落とすと進級できないのか。ここを知らないまま試験期間へ入るのは避けたいところです。

留年は珍しくないが軽くない

文部科学省が公表している医学部医学科のデータでは、2019年度入学者9,451人のうち、最低修業年限である6年間で卒業した学生は8,076人で、割合は85.5%でした。逆に見ると14.5%は6年間では卒業していません。(出典:文部科学省「医学・歯学教育」)

同じ資料では最低修業年限での卒業率が国立87.9%、公立89.4%、私立81.2%となっています。私自身、私立医学部では進級の厳しさを感じる話を聞くこともありますが、この数字だけから「私立のほうが進級ルールが厳しい」と断定することはできません。

留年する人に見られやすい背景については、医学部で留年する人の特徴と理由でも詳しくまとめています。

次の留年が危ないときの確認事項

すでに1回、2回と留年していて、次に進級できなかったらどうなるのか不安な人は、噂を集めるより先に確認してほしいことがあります。

自分の入学年度の規程を見る

まず、自大学の公式サイトや学生向けページから学則、医学部規程、履修要項を確認してください。

ここで重要なのが最新版を見るだけでは不十分な場合があることです。規則の変更時には、「○年度入学者から適用」のように適用対象が分かれることがあります。

例えば6年生のあなたと1年生では、同じ大学でも進級条件が違う可能性があります。先輩から聞いた話が今も正しいとも限りません。

学則を読んでも分からなければ、「私は○年度入学ですが、あと何年間在学できますか」「同じ学年にもう一度留年した場合、学籍はどうなりますか」と教務へ具体的に確認すると話が早いし、これが1番確実です。

間違っても、先輩の話や、SNSなどの他大学の人の話を鵜呑みにしないことが大事です。

残り年数を具体的に把握する

規程を確認したら、自分の現在の在学年数、休学歴、留年回数を照らし合わせます。

そして、「あと何留できるか」という曖昧な捉え方ではなく、次に進級できなかった場合でも在籍継続が可能なのかを確認してください。

例えば在学年限まで余裕が1年しかないなら、次年度はかなり重要になります。一方、制度上まだ数年残っていても、経済面や心身の状態から同じように続けられるとは限りません。数字としての残り年数と、自分が現実に使える時間は別物です。

学費と奨学金も確認する

留年を繰り返す場合、避けて通れないのが経済面です。

留年すれば卒業までの在学期間が延び、授業料や生活費などが追加で必要になる可能性があります。特に私立医学部では、授業料のほかに施設費などが設定されている場合もあるため、留年した年度に何を支払うのか大学へ確認しておきましょう。

また、日本学生支援機構などの奨学金を利用している場合、成績不振による卒業延期が支給や貸与へ影響する可能性があります。奨学金については自己判断せず、大学の担当窓口などへ相談してください。

「まだ在学できるから大丈夫」ではなく、卒業まで現実的に続けられるかまで考えることが必要です。

留年を繰り返さないために

在学年限が分かったら、その数字に安心するだけでは意味がありません。次にやることは、なぜ留年したのかを具体的に変えることです。

同じやり方を繰り返さない

医学部で一度留年したとき、「来年はもっと頑張る」で終わらせてしまうのは、留年を繰り返してしまうリスクが高いと私は思います。

勉強開始が遅かったのか。過去問を確認していなかったのか。出席管理で失敗したのか。生活リズムが崩れていたのか。それとも心身の不調が大きかったのか。

原因によって必要な対策は全く違います。

私の場合も、留年したことで「勉強時間だけ増やせばいいわけではない」と気づきました。医学部では試験情報を共有する友人、先生との相談、授業への参加などもかなり大事です。

同じ方法で同じ1年をもう一度走れば、同じ場所で転ぶ可能性があります。変えるべきところは早めに変えておきましょう。

私の実体験や周囲の人の話から聞いた留年した時の過ごし方についての記事も参考にしてみてください。

早めに進路を考えるのもあり

医師になりたい気持ちがあるなら、私はできる限り卒業へ向けて頑張ったほうがいいと思います。医学部に入り直すこと自体が簡単ではありませんし、ここまで積み重ねたものもあります。

しかし、本人がもう医師を目指したくない状態なのに、「せっかく医学部へ入ったから」という理由だけで何年も在籍することが必ず正解とも思いません。

他学部を再受験する、別の大学へ進む、就職を考えるなど、選択肢はあります。早い段階で方向を変えるからこそ使える時間もあります。

ポイント

あなたは本当に医師になりたいのか。それとも、医学部をやめることが怖いだけなのか。一度立ち止まって考えてみる価値はあると思います。留年した時間で自分を見つめ直すことが大事です。

医学部留年のよくある質問

最後に、医学部の留年年数や放校についてよく聞かれる疑問へまとめて答えます。

医学部留年のよくある質問(FAQ)

Q1. 医学部は何年まで留年できますか?

A. 全国共通の年数はありません。大学ごとに在学年限や進級規程が異なります。医学科の修業年限は原則6年ですが、それとは別に在学できる最大年数が定められている場合があります。自分の入学年度に適用される学則を確認してください。

Q2. 医学部で2回留年すると放校ですか?

A. 2回留年しただけで全国一律に放校になるルールはありません。ただし、大学独自の在学年限や進級条件によって在籍継続ができなくなる可能性があります。「2留なら大丈夫」と一般論で判断せず、自大学の規程を確認しましょう。

Q3. 医学部で3年留年しても医師になれますか?

A. 留年歴そのものによって医師への道が閉ざされる全国共通ルールはありません。在学可能な範囲で大学の卒業要件を満たして卒業し、医師国家試験の受験資格を満たせば国家試験を受験できます。ただし、大学の在学年限を超えないことが前提です。

Q4. 医学部は最大12年間在籍できますか?

A. 12年を在学年限としている医学部はありますが、全国すべての医学部が12年というわけではありません。また、在学年限とは別に同一学年の進級規程などが関係する場合があります。「医学部は最大12年」と一括りにせず、自大学の最新学則を確認してください。

Q5. 放校になったら最終学歴はどうなりますか?

A. 医学部を卒業せずに離れた場合、大学卒業資格は得られません。履歴書などでは大学への入学と退学等の経歴を記載することになります。

医学部の留年上限まとめ

医学部で何年まで、何回まで留年できるかには全国共通の答えがありません。最終的に基準になるのは、あなた自身の大学と入学年度に適用される学則・医学部規程です。

  • 医学部の留年回数に全国一律の上限はない
  • 修業年限6年と在学年限は別のもの
  • 2回や3回の留年だけで全国一律に放校にはならない
  • 在学年限や同一学年の規程を確認する
  • 先輩ではなく自分の入学年度の規程を見る
  • 次の留年が危ない場合は教務へ直接確認する

私も留年を経験したので、「あと何回失敗できるのか」が気になる気持ちはよく分かります。でも、他大学の学生や先輩の話だけで安心するのはおすすめしません。

わからなければ、自大学の学則や医学部規程を調べ、それでも説明が難しければ、大学の教務担当に確認してください。

そして、医師になりたい気持ちがあるなら、残りの留年可能回数を数えるより、次の進級判定を通過することへ力を使ってください。逆に、別の道へ進みたい気持ちが固まっているなら、早めに将来を考えるのも一つの選択です。

医学部へ入ったことより、この先どう生きたいのか。その答えを決めるのは、最終的にはあなた自身だと思います。

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