医学部のCBT試験のIRT合格ラインは知っていますよね?下級生ならまだしも、受験生である4年生であれば知っていて当然ですよね。
合格基準は、IRT396になります。過去には、大学ごとに基準が異なる時期がありました。しかし、試験の運用の仕方なども全国統一の共用試験となった2023年から合格基準もIRT396で統一化されました。
ただ、IRTの合格基準は公表されていますが、実際の得点率は公表されていません。
この記事では、実際に受験をした現役医学生の僕が、IRTが出る仕組みや正答率との相関、どのくらいを目指すべきかなどについて深ぼっていきます。
この記事のポイント
- IRTの定義とは何か
- IRTと正答率、偏差値の関係
- 目指すべきIRTと正答率の目安について
医学部CBTのIRT基準
まずは、医学部CBTのIRTが何を表すスコアなのかを整理します。あまり聞き慣れないものだと思います。基本的には、得点や正答率で試験の結果は語られ、合否が出ることが多いと思います。CBTだけは、IRTという謎の指標で数値化されます。
そもそもIRTとは?
そもそもIRTとは何か知っていますか?
正式名称としては、IRT標準スコアと言います。その定義としては、以下のように定められています。
- 項目反応理論を用いて各試験問題項目の特性(難しい問題であるかどうかなど)を事前に推定します。基準集団を設定し、その基準集団の分布を用いて、能力評価を行います。基準集団は、年にとって異なり、直近ではない過去の3年間が事前に定められています。
- IRT標準スコアは、この事前に評価されている問題に対して、皆さんがどの難しさの問題に正答して、どの難しさの問題には誤答するかにより、最も可能性の高いものとして推定されたものです。
- IRT標準スコアが500である場合、基準集団の平均値と考えます。平均値±100以内に68%の学生が入ると想定しています。
少し回りくどい説明ですが、正式にはこういうことです。つまり、簡単に言うと、以下の通りになります。
- IRT500を基準集団の平均としている
- 問題によって難易度が定められていて、正答した問題によってIRTは変わってくる
わかりやすく馴染みがあるように考えると、偏差値のような考え方ということです。偏差値×10が、おおよそのIRTの目安になります。
ただし、注意が必要であるのは、この基準集団というのが約10年前ということです。例えば、2025年のCBTにおいては、この基準集団は2012年〜2014年とされていました。現在の平均値は、IRT500ではなくなっています。学生のレベルも上がり、だいたいIRT515が平均となってきています。
CBTの公式情報に関しては、CATOが出している公式情報から詳細を確認してみてください。

合格ラインはIRT396
そこで、合格ラインとしては全国統一で到達基準がIRT396に設定されています。
ただし、ここで注意したいのは、IRT396が毎回ぴったり何%の正答率に換算されるわけではないという点です。CBTは受験者ごとに問題セットが異なり、前章の通り、IRTは問題の難易度や識別力を考慮して算出されます。正解する問題によって、IRTには変動が出てくるということです。
IRTと正答率の関係
IRTと正答率はかなり関係しますが、完全に同じではありません。正答率が高ければIRTも高くなりやすい一方で、同じ正答率でも、どの問題を正解したかによってIRTは変わります。
たとえば、同じ70%の正答率でも、難易度が高い問題が多く正解した場合と、平均的な問題が多く正解した場合では、IRTにかなりの変動が出ます。
ちなみに、正式な発表ではありませんが、問題あたり2~4のIRTが配分されていると言われています。参考程度に考えてください。
IRT500と偏差値の目安
IRT500は、IRTの尺度上では基準集団の平均に近いスコアです。前章では、偏差値のように考えるとわかりやすいよと言いましたが、普通の偏差値とまったく同じではありません。
普通の偏差値は、その年の受験者全体の平均を50として計算します。一方、医学部CBTのIRT標準スコアは、固定された基準集団をもとにした尺度です。そのため、IRT500イコール現在の受験者集団の完全な平均とは言い切れません。繰り返しますが、受験生の平均は徐々に上がっています。特に、コロナ禍を境に、学生の勉強への意識が上がっていると言われていて、そこから毎年平均は500を裕に超えています。
最近の本番データでは、全国平均がIRT513〜514あたりなので、IRT500は現在の受験者の中ではやや平均未満に近い位置づけです。
IRT600の順位と上位率
IRT600以上は、CBTではかなり良い成績と見ていいです。近年の分布では、IRT600以上は上位約16%前後に入る目安になります。
もちろん、年度や受験者集団によって多少の違いはあります。ただ、IRT600を超えていれば、少なくとも合格ラインを心配する段階ではなく、かなり安定してCBTを突破できる層と考えてよいかなと思います。
医学部CBTではどのくらいのIRTを目指すべきか
ここからは、IRTの仕組みを踏まえて、実際のCBTではどうやって、どのくらいを目指すべきかを解説していきます。
IRT396は正答率どのくらいか
ここまでの話でもうお分かりでしょうが、正確にはわかりません。回答できた問題によって変動するからです。ちなみに、CBTには除外問題というのが存在するので、そこも踏まえるとさらに明確ではありません。
ただ、僕が勉強して、受験した経験としては、IRT396は正答率62~65%程度だと思います。正答率が60%を切るとなかなか合格は難しいと思います。IRT440のためには正答率70%、IRT500のためには正答率80%、IRT600のためには正答率85%がおおよその目安だと言われています。

IRTを上げるには優先順位が大事
難問を正解するとIRTが大きく上がる、と考えている人もいます。これは半分正しくて、半分誤解です。
たしかに、難しい問題を正解できることは能力推定にプラスです。理論上は、他の人が解けないような問題を解けた方がIRTは上がることになります。しかし、そうも簡単にいきませんよね。効率的にIRTをあげようとすることを意識すると、普通の人のほとんどが解ける問題を落としてしまうことで、IRTは安定しないことになります。
ただし、効率よく上げる方法はあります。ここからは僕の実体験です。僕は、正直成績が優秀ではないし、なんなら再試経験も、CBTでの留年経験もあります。そのため、受験経験が豊富で、合格のためにCBTを研究し尽くしました。問題や範囲によっては、少ない時間と努力でIRT向上が見込めるものがあります。これは事実です。バカ正直に正面突破するべきではありません。では、具体的にどこを優先的に勉強するべきかについては、僕が書いたCBT攻略noteに詳細を全て書いています。
IRT500を最初の目標とするべき
RT396が合格基準ではありますが、そこを目標とするのはおすすめできません。
これまで散々言ってきましたが、IRTは正答した問題によって変動します。これも平気で20~50とか変わってくることもあります。そのため、同じようにギリギリラインである正答率65%だとしても、ギリギリ落ちる人もいれば、IRT420くらいまで上がる人もいるということです。
その他にも、CBT以降のことを考えると、IRT500を目指すべきだと考えます。CBTの結果は将来的には6年生の時のマッチングに影響が出る場合もありますし、臨床実習の時の理解度にも変わってきます。

正答率としては、約80%を目安とするべきということですね。これはなかなかハードルが高いと感じると思います。僕の周りの人を見ても、IRT500を超えているような人は、下級生の頃からコツコツ勉強している人やCBTに対しても3ヶ月くらいはしっかり勉強をしていた人がほとんどのように感じます。いつから本格的な勉強を始めるべきかについては、次の記事で書いているので参考にしてみてください。
医学部CBT試験のIRTについてのまとめ
医学部のCBT試験のIRTは、正答率だけでは説明しきれないスコアです。問題の難易度や識別力が関係するため、同じ正答率でもIRTが変わることがあります。IRT396が全国統一の到達基準となっていますが、正答率に関しては、正答する問題の難易度によってIRTが変動するため、明確な基準が設けられていません。
それぞれの目指すべきIRTに向けての勉強法については、こちらのnoteで具体的に書いています。どこを優先的に勉強し、いつから本格的に勉強していくかについて細かく説明しています。僕は、成績が優秀ではありませんが、その分ほとんどの人に刺さると思います。CBTを徹底的に研究した僕が熱量込めて17000文字に詰め込んでいます。もし、あなたがギリギリで焦っていたり、勉強を始めるにあたって何から始めたら良いかわからず不安があったりする人であれば、かなり参考になるはずです。もちろん、下級生が勉強は始める前に全体像を掴むのにも良いと思いますよ。
一部は有料記事としていますが、SNSでの拡散に伴う割引や購入者限定の無料相談も用意しています。勉強方針がわからない人は、手遅れにならないうちに手に入れておくべきですよ。
