留年

医学部で留年する人の特徴は?留年生に多い理由と共通する背景を現役生目線で解説

こんにちは、MEDICAL HACKERのまさ。です。

私は現役の医学部生ですが、過去に留年を経験しています。医学部に入った時点では、留年する人は「勉強についていけなかった人」くらいのイメージを持っていました。だから、入試の成績がかなり良かった自分が、まさか留年生になってしまうとは思ってもいませんでした。でも、実際に自分が留年して、周囲の学生も見てきた今はかなり考え方が変わりました。

医学部の留年は、単純に頭の良し悪しだけで決まるものではありません。情報を持っているか、出席や課題を管理できているか、試験勉強をいつ始めるか、周囲と同じ方向の勉強ができているか。こうした小さな差が積み重なって、最後に進級判定という形で表に出てくることがあります。

この記事では、留年経験のある医学部生として、医学部で留年する人にどんな特徴があるのか、なぜ医学部は留年が多く見えるのか、そして何を変えれば同じ失敗を繰り返しにくくなるのかまで、自分の経験も含めて話していきます。

この記事のポイント

  • 医学部で留年する人に多い特徴
  • 医学部で留年が起こりやすい理由
  • 浪人や再受験と留年の考え方
  • 留年を防ぐために今からできること

医学部の留年は多いのか

「医学部は留年が当たり前」「5人に1人くらい留年する」と聞くことがあります。確かに、医学部では6年間を一度も足踏みせず卒業できない学生が一定数います。ただし、数字の読み方には注意が必要です。

6年間で卒業する割合は85.5%

文部科学省が公表している令和6年度の資料(出典:文部科学省「医学部医学科における国家試験等の状況(令和6年度)」)では、令和元年度に全国81医学部へ入学した9,451人のうち、最低修業年限である6年間で卒業した学生は8,076人で、割合は85.5%でした。

裏を返すと、14.5%は6年間では卒業していないことになります。人数にすると1,375人です。この数字は、休学なども含めたものではあります。そのため、あくまで6年間で卒業しなかった人の割合として見るのが適切ですが、おおよそ「医学部の留年率」に近いデータでしょう。

全国全体を見ると、医学部生の大半は6年間で卒業しています。一方で、6年間で卒業しない学生も決して珍しい存在ではありません。留年したからといって、「自分だけがおかしい」と考える必要はないですが、だからといって「自分は大丈夫」と留年を軽く見ていいわけでもありません。

私立と国公立でも差がある

同じ文部科学省資料では、最低修業年限での卒業率は国立が87.9%、公立が89.4%、私立が81.2%でした。つまり、同じ医学部でも大学によって状況はかなり違います。

ただ、この差を見て「私立医学部の学生は勉強ができない」「私立は試験が難しい」と決めるべきではありません。進級条件、試験制度、学生の構成などが大学ごとに違うため、単純な比較はできません。

医学部の留年を考えるときは、全国平均よりも自分の大学の進級規定と過去の傾向を知ることのほうが実際には大切です。

医学部で留年する人の特徴

ここからは、私自身の留年経験と周囲を見てきた感覚をもとに、医学部で留年する人に見られやすい特徴を紹介します。もちろん、どれか一つに当てはまったから留年するわけではありません。いくつかが重なるほど危なくなりやすい、くらいに考えてください。

勉強仲間がいない

私が一番大きいと思っているのが、勉強仲間の存在です。

私は部活などを通じた友人自体はいました。ただ、昔から家で一人で勉強する癖があり、医学部に入ってからも試験勉強をほぼ一人で完結させていました。

大学受験なら、それでもかなり戦えます。参考書を読んで、自分で問題を解き、模試で確認する仕組みが出来上がっているからです。しかし、医学部の定期試験は違います。

「どこまで覚えるのか」「先生はどんな問題を出すのか」「過去問では何が頻出なのか」といった、同じ大学の学生同士で共有される情報がかなり重要になります。

しかも、人に説明すると自分が分かっていない部分も見えてきます。私は一人でインプットする時間が長すぎて、友人に教えたり、逆に教えてもらったりする機会が少なく、アウトプットや重要な部分の理解が足りていませんでした。

ポイント

医学部では「一人で勉強できる能力」以上に、「必要なときに人と勉強できる環境」がかなり大事だと思っています。ずっと一緒に勉強する必要はありません。過去問を確認したり、試験前に問題を出し合ったりできる人が数人いるだけでも全然違います。

独自の勉強法にこだわる

医学部の試験で意外と危ないのが、自分だけの勉強法にこだわりすぎることです。

大学受験で成功した人ほど、「自分にはこの勉強法が合っている」という自信を持っています。それ自体は悪くありません。ただ、医学部に入ったあとも大学受験と同じ感覚で難しい参考書に手を出したり、講義資料を無視して勉強したりすると、試験とのズレが出ることがあります。

私の感覚では、医学部の学内試験は周囲の学生と同じものをきちんと仕上げるほうがうまくいきやすいです。

みんなが使っている過去問、先輩から受け継がれているまとめ資料、先生が講義で強調した部分。まずはそこを落とさないこと。そのあと余裕があれば参考書を広げれば十分です。

新しい教材に手を出していると勉強している感覚は得られます。しかし、試験範囲の大事なことは、過去問と講義資料にあります

試験対策を始めるのが遅い

医学部の試験は範囲が広いため、短期集中だけで毎回突破するのはだんだん難しくなります。

1科目なら数日で何とかなることもあります。ただ、試験期間には複数科目が続きます。一つの科目で予定より3日遅れると、その3日が次の科目、その次の科目まで連鎖していく。医学部ではこのパターンが怖いです。

特に再試験が重なると、通常授業を受けながら再試対策をすることになり、時間に余裕がなくなります。再試験の連鎖は、勉強が大変なだけでなく、メンタル的にも非常にしんどいです。

「試験直前に本気を出せば何とかなる」を何度も繰り返している人ほど、一度予定が崩れたときに立て直しづらくなります。

出席や課題を軽く見る

医学部で留年する原因は試験だけではありません。出席、レポート、実習、小テストなども進級に関係します。

大学や科目によっては、一定の出席回数を満たさなければ試験を受けられないことがあります。いくら試験勉強ができても、受験資格そのものを失えばどうにもなりません。

さらに怖いのが、「あと何回休めるのか」「レポートの提出期限はいつか」を感覚で管理することです。医学部は科目数が多いので、記憶だけで管理すると抜けが出やすくなります。出席回数は、必ずメモしておくようにしましょう。

進級条件や必要な出席数は大学ごとに異なります。友人や先輩の話だけで判断せず、必ず自分の大学の学則、履修要項、教務からの案内を確認してください。

危ない科目の情報を知らない

医学部には、大学ごとにいわゆる「鬼門科目」があります。

毎年再試験になる人が多い科目、過去問と傾向が大きく変わる科目、出席判定が厳しい科目などです。こういった情報を試験直前になって知ると、対応できないことがあります。

そこで重要になるのが上級生とのつながりです。部活、サークル、高校時代の先輩など、経路は何でもかまいません。

もちろん、教授やカリキュラムが変われば昔の情報が通用しなくなる場合もあります。そのため、先輩の話を絶対視するのではなく、最新の講義資料や同級生からのと組み合わせて使うのがおすすめです。

医学部で留年が多い理由

医学部は最難関と言える入試を突破した学生ばかりなのに、なぜ留年が多いのでしょうか。ここには医学部独特のカリキュラムがあります。

必修科目が多い

一般的な大学では、ある科目を落としても翌年に取り直しながら進級できるケースがあります。一方、医学部では全てが必修科目であり、ほとんどの大学では所定の科目をすべて修得しないと次の学年へ進めません。

つまり、全体としてかなり勉強できていても、特定の必修科目を落としたことで進級できないケースがあり得ます。たった1つの科目や1つの関門が原因で留年する人も多くいるからです。

進級ルールが大学で違う

医学部の留年が「理不尽」「厳しい」と言われる理由の一つは、大学によって進級制度がかなり違うことです。

一つの不合格科目が進級に影響する大学がある一方、条件付きで次学年へ進める制度を設けている大学もあります。また、留年した場合に学年全体を再履修する大学もあれば、不合格科目だけを履修し直す大学もあります。

そのため、「医学部は1科目落としたら絶対留年」「留年したら全科目を取り直す」と全国一律で考えることはできません。序盤に、医学部の留年率について書きましたが、実際には、大学ごとに大きく違いがあります。それはここに理由があると思います。

自分の大学で何科目まで不合格が認められるのか、再試験は何回あるのか、留年時に何を再履修するのか。このあたりのことは、早い学年のうちに確認しておくと安心です。

学年ごとに別の関門がある

医学部では6年間ずっと同じ形式の勉強が続くわけではありません。

低学年では教養や基礎医学、その後は臨床医学、さらに臨床実習前にはCBTやOSCE、上級学年では臨床実習や卒業試験があります。それぞれ必要になる勉強の仕方が違います。

「何年生が一番留年しやすいか」は全国一律には決められませんが、各学年の関門については医学部で留年しやすい学年と6年間の鬼門でも詳しく解説しています。

特にCBTについては、それまでの学内試験より範囲がかなり広くなります。直前だけで対応しようとすると厳しくなりやすいため、受験時期が近い人は医学部CBTはいつから勉強すべきかも参考にしてください。

入試成績と留年は別物

医学部に入ったあと、「現役で入った人は進級しやすい」「入試で成績が良かった人なら大丈夫」と思うことがあります。しかし、少なくとも私の周囲を見ていると、入試の成績と入学後の成績はかなり別物だと感じます。

医学部入試とは勉強が違う

大学受験では数学や英語のように、考える力が点数に大きく影響する科目があります。一方、医学部に入ると、とにかく大量の知識を覚えなければならない時期があります。科目が変わるたびに覚える範囲も増えます。

受験時代に数学や英語が得意だったことと、大量の医学知識を毎週積み重ねながら試験日まで管理できることは、同じ能力ではありません。

入試で高得点を取れた人でも留年することはありますし、多浪や再受験、入試の成績が悪いからといって、必ず留年するわけでもありません。

浪人や再受験では環境が重要

浪人、多浪、再受験については、年齢そのものよりも入学後の人間関係に注目したほうがいいと思っています。

現役で入学した学生は、同年代の人が多く、高校生活からそのまま大学生活へ移行しやすい面があります。一方、多浪や再受験では周囲との年齢差が生まれる場合があり、最初から距離を置いてしまう人もいます。

ここで困るのは、友達が少ないこと自体ではありません。試験情報を交換したり、一緒に勉強したり、分からないところを聞いたりできる相手までいなくなることです。

年齢が違っていても、同級生は同じ試験を受ける仲間です。無理に大人数のグループに入る必要はありませんが、数人とは勉強の話をできる関係を作っておいたほうが過ごしやすいかなと思います。元々の知り合いでも、同じ部活の人でも、バイト先が同じ人でも、なんでも良いのでコミュニティに属しておくといいかなと思います。

ポイント

1年生の段階で勉強仲間を作れると、その後がかなり楽です。2年、3年と進むにつれて人間関係が固定されていくので、「必要になってから急に勉強仲間を探す」より、早いうちから試験前に声を掛け合える関係を作っておくのがおすすめです。

留年を防ぐためにできること

留年を避けるために、毎日朝から晩まで勉強し続ける必要はありません。それよりも、医学部という環境に合ったやり方を作ることのほうが大事です。

みんなが使う教材を優先する

試験前に最初に確認したいのは、「合格した先輩や同級生が何を使っているか」です。

過去問、講義プリント、まとめ資料など、多くの学生が共通して使っているものには理由があります。それらだけで必ず合格できるわけではありませんが、少なくとも試験範囲から大きく外れにくいです。

逆に、自分だけ分厚い参考書を最初から読み始め、過去問を見るのが試験直前になってしまうのは避けるべきです。

まず合格に必要な範囲を終わらせ、その後に理解を深める。この順番のほうが医学部の定期試験には合わせやすいと思います。

過去問を早めに確認する

過去問は直前に解くためだけのものではありません。むしろ勉強を始める前に一度見ておく価値があります。

記述中心なのか、選択問題なのか、細かい知識が問われるのか、大きな流れを説明させるのか。それによって勉強の方法は変わります。

もちろん、過去問の丸暗記だけに頼るのも危険です。教授が変わったり、出題形式が変更されたりすることもあるため、過去問は方向を確認する地図くらいに考えて使うのがちょうどいいでしょう。

勉強を人に説明する

私自身、やらずに1番後悔していて、留年後にかなり意識するようになったのが、友人と一緒に勉強して人に説明することです。

教科書を読んでいると「分かった気がする」状態になりやすいですが、友人に説明しようとすると急に言葉が止まることがあります。そこが理解の穴です。問題を出し合う、口頭で説明する、友人から質問してもらう。それだけでもかなりアウトプットになります。

一人で勉強するのが好きなら、それをやめる必要はありません。私も一人で勉強する時間は今でも必要だと思っています。ただ、一人の時間だけで試験勉強を完結させないことは意識してみてください。

出席と課題を見える形にする

出席や提出物は、勉強能力とは別のところで留年につながり得るため、機械的に管理するのがおすすめです。

授業の日程、欠席回数、レポート期限、試験日程をカレンダーに入れておくだけでもかなり違います。私の周りにも、出席が足りなくて試験が受けれなかったり、追加の課題があったりした人がいます。実際に留年してしまった人もいます。しっかり管理しておきましょう。

留年が決まったらどうするか

ここは私自身の経験から特に伝えたい部分です。留年が決まった直後は、「もっと勉強しておけばよかった」と過去の行動ばかり考えてしまいます。でも、次に必要なのは反省そのものではありません。

原因を具体的に分ける

「勉強不足だった」で終わらせると、翌年も同じことが起こる可能性があります。

勉強を始めるのが遅かったのか、教材選びを間違えたのか、過去問を見るのが遅かったのか、インプットばかりだったのか、出席や課題を落としたのか。原因をできるだけ細かく分けてください。

例えば「勉強時間が足りなかった」ではなく、「試験3日前まで過去問を見ていなかった」と考えれば、次年度は行動を変えられます。

留年後に必要なのは、自分への評価ではなく原因の特定です。「自分はダメだ」では次の試験に使えません。「何を変えれば同じ失敗を防げるか」まで落とし込むことで、初めて経験が次につながります。

それに、留年してしまったことが、あなたの全てを否定されるわけではありません。留年経験があっても、良い先生になっている方は、たくさんいます。ポジティブな気持ちで、原因を追求し、立て直せるように、切り替えることが大事です。

一人で立て直そうとしない

留年すると元の同級生と学年が分かれ、新しい学年へ入ることになります。そこで引け目を感じて、一人で過ごしたくなることもあると思います。

でも、ここでさらに孤立すると試験情報まで入りにくくなります。

新しい学年の学生、同じ留年経験者、部活の友人など、誰でもいいので勉強について話せる人を作ってください。私自身、一人だけで全部を何とかしようとしたことが失敗の一因だったと感じています。

ポイント

留年した事実そのものは変えられません。でも、「留年した原因」は次の1年でかなり変えられます。去年と同じ生活、同じ勉強法、同じ勉強開始時期のまま再挑戦するのではなく、一つでも仕組みを変えてください。

医学部の留年に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 医学部で留年する人は勉強ができない人ですか?

A. そうとは限りません。医学部では必修科目、出席、課題、定期試験、CBTやOSCE、臨床実習など複数の条件を長期間にわたって満たす必要があります。入試で高得点を取った学生でも、勉強の開始時期や方法、出席管理などが合わず留年することはあります。

Q2. 医学部では1科目落とすと留年ですか?

A. 大学によります。すべての必修科目の修得を進級条件としている大学では、1科目の不合格が進級に影響する場合が多いです。一方、一定条件で仮進級できる大学もあります。所属大学の履修要項や進級規定を確認するのが確実です。

Q3. 医学部では留年が当たり前ですか?

A. 「当たり前」とまでは言えません。文部科学省の令和6年度資料では、令和元年度入学者の85.5%が最低修業年限の6年間で卒業しています。一方、14.5%は6年間で卒業していません。少なくとも、他の学科に比べると高い数値だと言えるでしょう。

Q4. 多浪や再受験だと留年しやすいですか?

A. 多浪や再受験だから留年すると決まっているわけではありません。確かに年齢は危険因子と言われています。しかし、私なら年齢そのものより、入学後に勉強仲間や情報交換できる相手を作れているかを意識します。周囲との年齢差があっても、試験について相談できる関係を早い段階で作っておくと動きやすいです。

Q5. 留年したら医師になれませんか?

A. もちろん、そんなことはありません。しかし、留年すると卒業時期が遅れるため、通常は医師国家試験や初期臨床研修の開始時期も後ろへずれます。最終的に大学の卒業要件と国家試験の受験資格を満たすことが必要です。ただし、留年が重なると放校になってしまうことがあります。

医学部の留年する人の特徴まとめ

医学部で留年する理由や特徴は、頭の良し悪しだけでは説明できません。試験対策の開始が遅い、独自の教材に手を広げる、出席や課題を管理できていない、試験情報が入ってこない、アウトプットが足りない。こうした要因がいくつか重なったときに留年へ近づいていきます。

私自身、留年を経験して一番感じたのは、勉強仲間を作ることの大切さでした。一人で勉強できることは長所ですが、一人だけで医学部を乗り切ろうとする必要はありません。

過去問を共有する、分からない問題を聞く、試験前に説明し合う。そんな小さな関係でも十分です。

もし今、成績が危ないと感じているなら、「自分には医学部が向いていない」と考える前に、何がうまくいっていないのかを具体的に見てみてください。原因を具体的な行動まで分ければ、次の試験で変えられる部分は必ずあります。留年を経験した私だからこそ、これがかなり大事だと思っています。

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