留年

医学部の留年対策に予備校・塾は必要?選び方と使うべき人を留年経験者が徹底解説

こんにちは、MEDICAL HACKERのまさ。です。

私は現役の医学部生で、実際に留年を経験しています。留年したときは、「今までの勉強法そのものが間違っていたのではないか」「このまま1人で続けても、また同じ結果になるのではないか」とかなり考えました。

そこで選択肢に入ってくるのが、医学部生向けの予備校や塾です。最近は定期試験対策、CBT対策、卒業試験対策、国試対策などを掲げるサービスがかなり増えています。検索すると魅力的な言葉が並んでいるので、留年直後ほど「自分も通わないとまずいのかな」と思いやすいです。

ただ、留年を経験した立場から言うと、医学部で留年したからといって、すぐ予備校や塾に通う必要はありません。むしろ、自分が落ちた原因を確認しないまま塾へ入っても、お金と時間だけ増えて根本的な問題が残ることがあります。

一方で、自分だけでは勉強計画を立てられない、何度も同じ試験でつまずいている、周囲とのつながりがなく情報も入ってこない、といった状況なら、外部のサポートがかなり役立つ場合もあります。

この記事では、医学部の留年対策として予備校・塾が必要になるケースと必要ないケースを、私自身の留年経験も踏まえて解説します。

この記事のポイント

  • 医学部の留年対策で予備校や塾が必要な人
  • 塾に通う前に確認したい留年の原因
  • 医学部生向け予備校や塾を選ぶ基準
  • 再留年を避けるための具体的な勉強法

医学部留年で塾は必要なのか

一番最初に考えてほしいのは、「どこの予備校へ行くか」ではなく、そもそも外部指導が必要な状態なのかという点です。医学部の留年にはいろいろな理由があり、塾へ行けば解決するものばかりではありません。

大半の医学生には必要ない

私は、留年した医学生の大半は予備校や塾に通わなくても進級できると思っています。

医学部に合格している時点で、医学の勉強を進めるために必要な学力がまったくない人はほとんどいません。大学受験を突破するだけの勉強を一度は経験しているわけです。

それでも医学部では留年します。なぜなら、医学部で求められるのは単純な地頭だけではないからです。授業への出席、膨大な試験範囲への対応、過去問の収集、友人との情報交換など、大学受験とは違う要素がかなりあります。

例えば、試験直前になって初めて過去問を入手した、重要な授業資料を持っていなかった、みんなが知っている試験情報を自分だけ知らなかったなど。こうした理由なら、医学知識を個別指導で教えてもらうより、まず大学内での情報の取り方を変えたほうが効果的です。

ポイント

医学部では、頭の良さだけではなく、試験情報を集めて周囲と同じ方向に勉強することが一番大事です。塾や予備校を考えるのはその後で良いです。

留年した人が、次の1年をどう過ごしていくべきかについて、次の記事にまとめています。実際に留年を経験し、留年生活でやってよかったことについて、ぜひ参考にしてみてください。

まず留年原因を分けて考える

予備校を検討する前に、「自分がなぜ留年したのか」をかなり具体的に考えてみてください。

例えば、勉強時間そのものが少なかった人と、かなり勉強していたのに試験に受からなかった人では、まったく違います。

前者なら、勉強を始める時期や生活リズムを変えるだけで改善する可能性があります。後者なら、教材の選び方や問題演習の方法、覚え方などを見直したほうがいいでしょう。後者なら、塾や予備校の手助けが必要となることもあるかもしれません。

「留年した」という結果だけを見るのではなく、「何が原因で進級条件を満たせなかったのか」まで分解することが最初の対策です。

留年する人には、ある程度共通する特徴があります。私自身もかなり当てはまっていました。あなたが留年したのであれば、当てはまっている可能性もあります。まずは、そこから改善する必要があります。医学部で留年する人の特徴についても、記事でまとめているので、ぜひ読んでみてください。

留年は珍しすぎる話ではない

留年すると、自分だけが大きく脱落したように感じるかもしれません。ですが、医学部で6年間のうちに卒業時期がずれる学生は決してゼロに近いわけではありません。

文部科学省が公表している令和6年度の資料では、2019年度に全国81医学部へ入学した9,451人のうち、最低修業年限である6年間で卒業した学生は8,076人で、割合は85.5%でした。逆に言えば、14.5%は6年間では卒業していません。

つまり、医学部では一定数の学生がストレート卒業から外れていることは分かります。留年したからといって、自分の医学部生活が終わったように考える必要はないです。(出典:文部科学省「医学部医学科における国家試験等の状況(令和6年度)」)

医学部の予備校を使うべき人

もちろん、予備校や塾を否定しているわけではありません。外部のサポートと相性がいい人も確実にいます。特に、自分だけで改善しようとして同じ失敗を繰り返しているなら、一度環境を変える価値はあります。

再試験を何度も繰り返す人

一つの目安になるのが、同じような科目で何度も再試験になっているケースです。

一度の再試なら、単純に勉強開始が遅かった、たまたま苦手分野が多かった、といった可能性もあります。しかし、毎年大量の再試験を抱えていたり、再試でも繰り返し不合格になったりしているなら、今までと同じ方法を続けるだけでは危ないかもしれません。

特に、かなり勉強時間を確保しているのに成績につながらない人は注意したいところです。

医学部の勉強は範囲が広いので、全部を同じ濃さで勉強すると時間が足りません。勉強の方法そのものを間違えている可能性もあります。

勉強量を増やすだけでは変わらなかった人なら、第三者に勉強のやり方を見てもらう価値があります。

一人では計画を守れない人

自分でスケジュールを立てても、毎回崩れてしまう人も塾との相性がいいです。

医学部の試験は、一夜漬けだけではどうにもならない範囲になることがあります。それでも、誰からも管理されなければ、「今日は疲れたから明日やろう」が続き、本番2週間前になって焦る。これは普通にありますし、留年経験がある人はだいたいそうじゃないでしょうか。

医学知識を教えてもらうこと以上に、毎週の学習量を決めてもらい、進み具合を確認してもらうことに価値があります。

さらに、勉強計画を友人に管理してもらうのも、勉強法を友人に見てもらうのも恥ずかしいと感じる人も多いと思います。そういう人には、塾や予備校が向いているかもしれません。

CBTだけで留年した人

CBTで留年した場合は、普通の定期試験による留年とは少し事情が違います。

大学によりますが、CBTに合格できなかったことで臨床実習へ進めず、翌年度のCBTまで時間が空くケースがあります。授業が全くないと、学校に通うことも少なくなります。この場合、生活リズムを自分で作らなければなりません。

さらに、学校での授業などがないため、一緒に勉強する人が減りやすいです。こうなると、勉強内容以上に勉強を継続できる環境を作れるかが問題になります。

CBTの実施時期や勉強スケジュールについては、医学部CBTはいつから勉強すべきかを解説した記事でも詳しく書いています。

CBTだけで留年し、大学へ行く機会も少なく、1人では勉強が進まないなら、予備校や個別指導で一定期間管理してもらうのは十分アリだと思います。

周囲に相談できる人がいない人

医学部では、友人から得られる情報を軽く見てはいけません。

もちろん、人間関係を無理に広げる必要はありません。ただ、過去問、先生ごとの出題傾向、試験範囲の変更、再試験情報など、同じ大学の学生だからこそ分かることがあります。言い方は悪いですが、「試験勉強友達」を作ることは非常に重要です。

学校へほとんど行かず、友人とも接点がなく、全部ネットだけで調べて勉強している状態では、自分が大学の試験に対して正しい方向へ進んでいるのか判断しにくくなります。

その状況を自力で変えるのが難しいなら、医学部生向けの塾を「質問できる相手を作る場所」として利用する考え方もあります。

医学部の塾が不要なケース

留年すると不安なので、何か新しいことを始めたくなります。ただ、塾へ入ること自体が対策になるわけではありません。自分で直せる問題なら、まずそこから変えたほうが早いです。

単純に勉強不足だった場合

自分でも「明らかに勉強していなかった」と分かっているなら、まず必要なのは予備校ではなく勉強時間の確保です。

試験1週間前までほぼ何もしていなかった、授業資料すら開いていなかった、過去問を最後まで解いていなかった。この状態なら、指導方法以前の問題でしょう。

医学部生向けの塾に入ったところで、結局自宅で問題を解く時間は必要です。授業を受けるだけで定期試験に受かるわけではありません。

なので、まず勉強量を増やすなどして、自分でどこまで変わるか試したほうがいいと思います。

大学の情報不足が原因の場合

医学部の定期試験は、国家試験とは性質が違います。

先生が講義で強調した部分、大学独自の授業資料、過去問で繰り返し出るテーマなどが重要になることも多いです。全国共通の教材だけを完璧にしても、学内試験では思うように点が取れないことがあります。

こうしたケースでは、予備校より先に同級生や先輩から情報を集めてください。

過去問を早めに入手して、試験範囲を確認し、周囲が何を使って勉強しているのか聞く。それだけで方向が大きく変わることがあります。医学部の試験は、みんなと同じことをすることが一番重要です。

教材を増やしすぎている人

成績が悪いと、新しい教材を買いたくなります。動画講座、問題集、まとめノート、予備校テキストと増えていき、気付けばどれも途中。これはかなりもったいないです。

医学部の勉強では、教材の種類を増やすより、定番教材を何度も回したほうがいいです。

特にCBTや国試につながる臨床医学なら、まずQ-Assistなどの動画講義で内容を確認し、QBで問題を解くという王道の流れをきちんと進めることが大切だと思っています。

これも同じです。同級生やすでにクリアした先輩を同じように辿ることが1番の成功の近道のはずです。

医学部予備校の選び方

自力での立て直しが難しく、予備校や塾を使うと決めたなら、広告の印象だけで選ばないほうがいいです。医学部受験の予備校と、すでに医学部へ入学している学生の進級対策では必要な指導が違います。

大学別試験に対応できるか

私が最も確認したいのは、所属大学の定期試験への対応実績があるかです。

医学部は大学ごとに進級条件が違います。ある大学では一部の不合格科目だけを再履修する一方、別の大学では学年全体を再履修することがあります。仮進級が用意されている大学もあります。

試験内容についても同じです。全国共通の医学知識を教えるだけなら、動画教材や問題集でもかなり勉強できます。

わざわざ高い費用を払って指導を受けるなら、大学ごとのカリキュラムや進級事情を理解していることに意味があると思います。

授業型か管理型かを見る

医学部生向けの塾は、すべて同じサービスではありません。

講師が医学知識を教える授業中心のところもあれば、毎週の勉強計画を作り、進み具合を確認する管理中心のところもあります。マンツーマンで質問対応をする形式もあります。

ここで、自分の原因とサービス内容を合わせることが重要です。

困っていること 相性がいい指導
内容を理解できない 個別授業・質問対応
勉強を始められない 学習管理・定期面談
大学試験で点が取れない 大学別の試験対策
CBTで伸びない 問題演習と進捗管理
勉強仲間がいない 自習環境・質問環境

例えば、内容は理解できているのに勉強をサボってしまう人が、講義動画を追加で何十時間見ても根本的な解決にはなりません。逆に、毎日勉強できているのに理解が追いついていないなら、管理だけされても足りないでしょう。

費用と期間を必ず確認する

医学部生向け予備校・個別指導は、サービスによって料金体系がかなり違います。

月額制、授業回数制、学期単位、年間契約などがありますし、個別指導なのか集団指導なのかでも変わります。そのため、「医学部の留年対策ならいくら」と一律には言えません。

契約する前には、授業料だけではなく、入会金、教材費、管理費、追加授業の料金、途中退会の扱いなども確認してください。

特に私は、必要な期間だけ利用する考え方で十分だと思います。1年間ずっと通わなければ意味がないとは限りません。

例えば、前期の定期試験を乗り越えるまで、CBTまで、再試験まで、と期間を決めて使う方法もあります。目的が達成できて自走できるようになったなら、その時点で外部サポートを減らしていいでしょう。

留年直後に焦って契約しない

留年が決まった直後は、「何かしないとまずい」という気持ちがかなり強くなります。

そこで予備校へ相談すると、サポートしてもらえる安心感からすぐ契約したくなるかもしれません。しかし、まず原因を確認してください。

出席不足なのか、勉強不足なのか、試験情報不足なのか、勉強法なのか。原因によっては塾では解決しません。

一度、自分で改善できる部分と、人に助けてもらったほうがいい部分を分けてから決めるのがおすすめです。

塾に入ることを目的にしない

医学部の留年対策で一番怖いのは、「塾に通っているから大丈夫」と思ってしまうことです。

予備校は進級させてくれる魔法の場所ではありません。結局、動画を見るのも、問題集を解くのも、試験会場で回答するのも自分です。

塾は、できない部分を補うための道具として使うのがちょうどいいと思います。

ポイント

予備校の目的は依存することではなく、自分だけでは埋められない穴を一定期間だけ埋めてもらうこと。その目的を見失わないようにするべき。

塾へ行く前にやるべき対策

予備校を検討している人でも、まず大学内でできる対策があります。ここが抜けたまま塾や予備校へ行くと、本来払わなくてもよかった費用が増えるかもしれません。

進級条件を確認する

まず、自分の大学の履修要項や学則を読み直してください。

何科目まで不合格が許されるのか、再試験は何回あるのか、出席要件はどうなっているのか、留年した場合に何を再履修するのか。意外と知らないまま勉強している人がいます。

医学部の進級制度は全国共通ではありません。「医学部は1科目落としたら必ず留年」「2回留年したらどこでも放校」といったルールが全国一律に存在するわけではないです。

だからこそ、SNSや他大学の友人の話より、所属大学の公式ルールを優先してください。留年年数の制限や放校制度については、次の記事でも書いています。参考になることもあると思うので、ぜひ読んでみてください。

友人や先輩を頼る

留年すると、人と距離を取りたくなることがあります。気持ちはかなり分かります。

でも、ここでさらに全部を1人でやろうとすると、同じ失敗を繰り返す可能性があります。

過去問を持っている友人、試験に詳しい先輩、同じ科目を受ける同級生など、頼れる人がいるなら頼ったほうがいいです。

「この先生はどこを出すのか」「この科目は何から勉強するのか」という情報は、外部の予備校より同じ大学の学生のほうが詳しい場合があります。

医学部では、人に聞くことも勉強の一部です。これは留年を経験して、私はかなり実感しました。

勉強の優先順位を決める

留年した翌年は、全部を完璧にしようとするより、「絶対に落としてはいけないもの」を明確にしたほうがいいです。

特に再留年の可能性がある人は、試験ごとに重要度を考えてください。

進級に直結する必修科目、再試験の少ない科目、CBTなど一度つまずくと予定が大きく変わる試験は、早めに手を付ける必要があります。

逆に、細かい知識を完璧に覚えることへ時間を使い、重要な問題集が終わらないのは本末転倒です。

ポイント

医学部では、満点を狙う勉強より「確実に進級する勉強」を意識していいと思います。まず落とさない。余裕ができたら理解を深める。まずはこの順番でも良いですよ。

医学部留年と塾のよくある質問

最後に、医学部の留年対策として予備校や塾を考えている人から出やすい疑問に答えます。

医学部留年と塾のよくある質問(FAQ)

Q1. 医学部で留年したら予備校へ行くべきですか?

A. 全員が行く必要はないと思います。単純な勉強不足や試験情報不足が原因なら、勉強開始を早めたり友人や先輩から情報を集めたりすることで改善できる可能性があります。一方、何度も再試験や留年を繰り返している、自分では学習計画を管理できないという場合は、予備校や個別指導を使う価値があります。

Q2. 医学部留年向けの塾はどう選べばいいですか?

A. 所属大学への対応実績、指導内容、費用の3点を確認してください。特に大学の定期試験対策が目的なら、一般的な医学知識を教えられるだけでは足りないことがあります。大学別の進級制度や試験傾向まで把握しているか確認したほうがいいでしょう。

Q3. CBT留年でも塾は必要ですか?

A. 自分で計画的にQ-AssistやQBなどを進められるなら、必須ではありません。ただ、CBT留年で大学へ行く機会が減り、勉強仲間もおらず、1人では生活や勉強の管理が難しいなら、一定期間サポートを利用するのはアリです。知識を教わることより、勉強を継続する環境に価値がある場合もあります。

Q4. 医学部の塾に通えば再留年を防げますか?

A. 通うだけで再留年を防げるとは言えません。予備校はあくまでサポートです。授業を受けても自分で復習や問題演習をしなければ知識は定着しません。自分の留年原因と塾の指導内容が合っているかを確認したうえで利用することが重要です。

Q5. 留年したのは頭が悪いからですか?

A. 私はそう考える必要はないと思います。医学部へ入学できている時点で、一定以上の学力はあります。医学部では試験範囲の広さ、出席、情報収集、勉強開始の時期、CBTや実習など複数の要素が進級に関係します。能力そのものと決めつけるより、どこでつまずいたのかを具体的に確認するほうが次につながります。

医学部留年対策は原因から考える

医学部で留年すると、「今までと違うことをしないといけない」と焦ります。私自身も、1人で勉強を続けて本当に大丈夫なのかと考えました。

ただ、医学部で留年したから予備校へ行く、という考え方はおすすめしません。

まず、自分がなぜ留年したのかを見てください。勉強開始が遅かったのか、大学の試験情報が足りなかったのか、1人で全部やろうとしていたのか、かなり勉強したのに方法が合っていなかったのか。それによって必要な対策は変わります。

自分で原因を見つけて改善できるなら、予備校へ行かなくてもいいでしょう。Q-AssistやQBなど定番の教材をきちんと進め、大学の過去問や授業資料を使い、友人や先輩から情報を得るだけで立て直せる学生は多いと思います。

一方、何度も同じ失敗をしている、自分では計画を管理できない、大学との接点が少なく孤立しているという場合は、外部の力を借りる意味があります。

医学部の予備校や塾は、全員が行く場所ではなく、自分だけでは埋められない部分を補う場所だと私は考えています。

利用するなら、大学別試験への対応実績、指導方法、費用を比較し、「何のために通うのか」を決めてください。そして必要な期間だけ使う。それくらいの距離感が一番合理的かなと思います。

留年したという事実だけで、自分の能力まで否定する必要はありません。大事なのは次の試験で同じことを繰り返さないことです。原因を一つずつ変えて、まず次の進級を取りにいきましょう。

-留年